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 江戸時代、和本の表紙の芯には再生紙や、寺子屋で真っ黒になるまで使われた紙を束ねたものなどが使われていた。(朝日6月5日)
 古紙を利用するというアイデアが日本に登場したのは平安時代から。江戸時代には「浅草紙」と呼ばれるすき返し紙の名産品も生まれる。江戸市中から集めた古紙をすき返す紙漉町が浅草の観音に近いところにあったのだ。
 紙すき職人は、集められた古紙を煮てどろどろにし、これを紙料としてすきあげる。煮たあと冷えるまで待たなくてはいけないので、その間、吉原の歓楽街に出かけ、格子窓からのぞく女性たちをからかっていたという。買わずに見ているだけのことを「冷やかし」というのはここから来ている。
 手習い用の半紙から浮世絵、暦まで、江戸は世界でも有数の紙消費地だった。紙の消費は文化のバロメータともいう。いま、紙消費は当時と比べ物にならないほど多い。それでも、和本の表装の下にさりげなく利用されている再生紙と、わざわざ再生紙を利用していると断り書きのある名刺を比べるとき、当時と比べほんとうに文化的に向上したのかと疑問に思ってしまうのはなぜだろう。

<メールマガジン『今日の雑学+(プラス)』since 7.Jan.1998
  編集:小橋昭彦 mailto:kobashi@unplugged.ne.jp
  発行:Unplugged http://unplugged.ne.jp/ >より

 

ポケットティッシュ


 かつて銀行の景品が主な役割だったポケットティッシュが街頭に飛び出したのは1985年。大手消費者金融会社が配りだしたのが最初だ(朝日9月25日)。
 いまではにぎやかな駅前を歩けば、複数のポケットティッシュがもらえることも少なくない。主な生産地は高知県や北四国、静岡など。統計的には家庭紙に含まれてしまうので正確な生産量はわからないが、1日およそ1000万個、年間30億個くらいが出ているのではないかという。
ポケットティッシュの大半は無料で配られるもの。冒頭の消費者金融大手だけで市場全体の1割弱を配っているとか。なにもそこまでと思わないでもないけれど、新規顧客の14%をティッシュで獲得しているというから、実際に効果があるわけだ。
 それにしても、毎日大人の1割が手にする計算になるポケットティッシュ。日本人はそれほどティッシュを使っているかどうか。年間250キログラムになろうかという世界有数の紙消費国、日本。1日あたりにすればBOXティッシュ1箱分の紙を消費していることになる。小さなポケットティッシュとはいえ、ポケットに収めておける問題でもないのかもしれない。

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